みんなでつくり、みんなで学ぶ。BOTANISTの森の、これから。 - FOR A SUSTAINABLE FUTURE BOTANIST

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みんなでつくり、みんなで学ぶ。BOTANISTの森の、これから。

2021年に開始した、BOTANISTの森づくり。10月には、スタッフの手で植林を行いました。 BOTANISTの森に関わる様々な人のお話を通じ、森のあり方や、この森から始まる私たちの未来について紐解いていきます。

みんなでつくり、みんなで学ぶ。BOTANISTの森の、これから。

様々な人が関わって。
みんなで、森を育てていく。

BOTANISTは2021年より、北海道の美幌町での森づくりを開始。10月にはおよそ1000本のハンノキの植林を行いました。

BOTANISTの森は、「人と植物がいつまでも 共に生きられるような地球環境の持続をサポートする」ことを目的にスタートしました。地元行政の協力や森林政策の専門家、木材を活かした事業を行っている企業など。様々な企業や人の想いとサポートで動いているプロジェクトです。

BOTANISTのシャンプーやトリートメントには、シラカンバ樹液(保湿成分)が配合されています。ホワイトバーチウォーターとも言われるその樹液を、製品として利用するだけではなく、森林づくりから始めようと、森林保全団体more treesを通して、美幌にBOTANISTの森を持つことになりました。

白樺やハンノキといった広葉樹を中心とする森。その狙いは、森の多様性を実現することにあると、ブランドディレクターの東野は言います。

「こちらの森では、針葉樹林がもともと植えられていたもので、その伐採跡地に『多様性のある森を戻す』というサポートをさせていただこうと思っています」

2021年の北海道は記録的猛暑や降雨量の減少などにも見舞われ、予定通りの苗木を確保することが難しい局面もありましたが、植林は無事完了。BOTANISTの森は、小さな第一歩を踏み出すことができました。


森の多様性を守ることで、自然環境には様々な影響がある。

森の多様性について強調するのは、北海道大学農学部の柿澤宏昭教授。「生物多様性は非常に重要で、守らなければならない。森林は、生物多様性の重要な構成要素です。」

しかし森の多様性が失われつつあるのが、日本の森林の現状。戦後、日本の森林はほとんどが針葉樹林になってしまっています。成長の早く加工のしやすい針葉樹は需要が大きく、需要のある森林ばかりを育ててきたからです。

現代になって、その偏りを是正しようとする動きがある。広葉樹の存在が見直されようとしていることを、柿澤教授は指摘します。

「手入れされず、放置状態だった森林が少しずつ回復してきたこととともに、 広葉樹が見直されてきました。今後は持続的に管理をしながら、針葉樹と広葉樹、ともに存在するような森のあり方を考えていく必要があるでしょう」。

さらに柿澤教授は、森の多様性を守ることが森の豊かさにとどまらず様々な恩恵をもたらしてくれるとしています。

「多様な森が重要なのは、森に住む生物が多様だからです。原生的な森が好きな生物もいれば、若い森林を好むものもいるし、住みやすい場所も様々です。そう考えると多様性のある森が、生物の多様性の守っていることになる。さらにいえば、森の生態系は川や海の生態系にも影響を与えるため、森の豊かさを守ることはそのまま川や海の豊かさを守ることにも直結しているといえるのではないでしょうか」


白樺やハンノキ
広葉樹を中心としたBOTANISTの森

かつては針葉樹林と広葉樹林の両方が存在していたものの、失われてしまった多様性。それは、北海道美幌町も例外ではありませんでした。「美幌町の森は元々、広葉樹が多く広がっている山林でした。しかし戦時中、軍事用資材として木材を伐採してしまった。美幌町の7割の木がなくなってしまいました」と語るのは、美幌町役場の藤田知典さん。

BOTANISTの森づくりについて、地元専門家の視点から、ご協力をいただきました。

「まずBOTANISTにその成分が使われているということで、象徴的な広葉樹、白樺をご用意しました。ただし今年は記録的猛暑や降雨量の減少が見られたため、白樺だけでなく、もう1種類他の広葉樹も用意しようと考えたのです。そこで候補に挙がったのがハンノキ。美幌町にもともと多く自生していた種類の木でもあり、白樺に加えてハンノキも用意しました」


建材、内装、家具にも。
付加価値をつけて様々に活躍する素材を生み出す森へ。

また、森づくりを通じてわかったことがあります。それは、木を植え森を育てることとともに、木を適切に使うことについても同じくらい注力して考える必要がある点です。

森は、循環可能な資源。育てて、切って、使い、また育てる。そのサイクルをつくっていかなければなりません。

広葉樹の用途には、家具や建材などが考えられます。家具の素材としては近年とくに注目を集めているところ。北海道旭川で創業53年になるカンディハウスの吉田拓也さんは、「北海道の木を使い、世界に通用する家具をつくっていこうとする会社であり、北海道の広葉樹にこだわったものづくりをしている」と語ります。

「質の高いものをつくっていこうとしているので、できるだけ強度があって長持ちする広葉樹をつかっています。広葉樹の場合は、少なくとも 100 年前後、大きなものだと 200 年。成長に時間がかかりますから、そのぶん木の密度も違う。強度がかなり違います」と広葉樹の素材としての魅力を教えてくださいました。

家具の他に、建材としての期待も大きいのが広葉樹の木材です。鉄やコンクリートといった再生不可能な建材の代替として利用が始まっています。

国内初のハイブリッド建築であるザロイヤルパークキャンバス 札幌大通公園では、9階から11階部分に木材を使用。内装や家具にも広葉樹の木材が使用され、地球環境に配慮したホテルです。ボタニストの森の木材も、企業、そして行政と共に連携をして、大きな貢献へと向かっていく未来が予想されます。

森について学ぶ、発信地に。

このように、多くの人が関わり、多くの人が期待を寄せるBOTANISTの森。プロジェクトスタートから森としての第一歩を振り返り、そして未来へ向け、ブランドディレクターの東野は改めて思います。

「いろんな方に守られて、この森が存在していると感じています。ここの森で学んだことや、植物の恵みについてきちんと伝えていく。発信をまず、していく。未来に向けて、何十年も森が育つ成長も含めて、私たちからみなさんに伝えていくことができると思っています」。

BOTANISTの森は、これからゆっくり成長を重ねていきます。ここでの学び、植物の恵みを、これからたくさん、みなさまへ届けられるように。持続可能で多様な森の成長に、一緒にご期待ください。